拝啓 私は、ユニセフ(国際連合児童基金)の事務局長を務めておりますキャロル・ベラミーと申します。ユニセフは、開発途上国の子どもたちの生存・発達・保護を支援し援助活動をおこなっている国連機関です。
今回小さな袋を同封しましたが、なぜこんなものが送られてきたのか不思議に思っていらしゃることと思います。
そのことをご説明させていただく前に、どうしてもお話しなければならないことは、いまだに毎年300万人もの幼い子どもたちが下痢によって命を落としているという事実です。慢性的な栄養不良にかかっている開発途上国の子どもたちは、身体に抵抗力がなく、河や池などの汚染された水や不衛生な食べ物によってしばしば下痢に襲われ脱水症状で亡くなってしまいます。5才未満の子どもたちの死亡原因の2位を占めているのが下痢をともなう症状なのです。
この子どもたちの悲劇を黙って見過ごさずにすむ、簡単でしかも低コストの方法が、今日お手もとにお送りした小さな袋です。この袋には本来、塩とぶどう糖を適切に配合した経口補水塩(ORS)が詰められています。1袋10円、一回分わずか数円。きれいな水にとかして与えるだけで、下痢による脱水症状を予防し、治療することができる粉末です。
もちろん、経口補水塩(ORS)だけで今子どもたちが直面している深刻な問題をすべて解決できるわけではありません。しかし塩とぶどう糖を配合したこの経口補水塩(ORS)は、ふだんわたしたちが簡単に手に入れられる原料で子どもたちの命を救えるということを教えてくれる大切な粉末なのです。
ユニセフは、子どもたちに安全な水を供給するための手押しポンプ井戸や簡易トイレなど衛生設備の普及に努めていますが、これは長期的に取り組まなければならないプロジェクトです。まだ不衛生な環境にいる多くの子どもたちが下痢による脱水症状で苦しんでいて、今この瞬間にも助けを求めているのです。
ユニセフは現在、130ヵ国を超える開発途上国に現地事務所を置き、経口補水療法、予防接種、栄養指導、初等教育の普及、児童労働問題への取り組みなどを日々たゆみなく続けております。皆様からの温かいご支援とユニセフの活動が実り、経口補水療法は現在広範囲に実施されていて、毎年150万人近くの子どもを救っています。また全世界の予防接種率は80%に上昇し、年間約300万人のこどもの命が救われています。
しかしそれでもなお、予防可能な原因によって毎年900万人以上の子どもたちが命を失い、1億4000万の子どもたちが初等教育を受けられず、栄養失調に苦しんでいる子どもたちは1億6500万人にも達しています。
皆さまのご賛同・ご支援をユニセフにいただけるならば、私たちはより多くの子どもたちの命を救うことができ、子どもたちの健康と明るい笑顔を取り戻すことができると確信しております。子どもたちを守るさまざまな活動をさらに力強く続けていくために、経口補水塩(ORS)が届くのを待っている大勢の子どもたちのために、ユニセフは皆さまのご支援を必要としています。それがたとえ経口補水塩(ORS)のこのひと袋を満たすだけの額であっても、ひとりひとりの皆さまがお寄せくださるユニセフ募金は、何十万、何百万という子どもを救うことにつながっています。
子どもたちを悲惨な状況に戻すことのないよう、脱水症状で衰弱した幼い子どもたちが一日も早く元気になれるよう、皆さまのお力添えをお願い申し上げます。 敬具
ユニセフ(国際連合児童基金)
事務局長 キャロル・ベラミー
追伸:この小さな袋と一緒に同封した振込用紙をご利用いただき、子どもたちの命と健康を守るユニセフ募金にご協力くださいますよう、心からお願い申し上げます。
ユニセフは募金をして下さる方々のお気持ちに応え、ご寄付は大切に使わさせていただいております。