通信紙

こちら“ちくま”

2001年第2号 通巻23号
 
 発行人 新井俊雄
 編集人 大下京子 宮沢敬子
 発行所 筑摩工芸研究所
 〒399-0001 長野県松本市宮田8-22
 tel. 0263-26-6330 fax. 0263-26-6047

死の周辺のお手伝い
 〜ライフデザインセンター発足

 ライフデザインセンター代表理事 高橋卓志
自立生活運動と障害文化
 ─知ってることは力になる・18─

 たていわ しんや(信州大学医療技術短期大学部助教授)
 


(社)日本青年奉仕協会より派遣の新旧二人からメッセージ


ちくまの日記
編集後記

死の周辺のお手伝い

〜ライフデザインセンター発足〜 

ライフデザインセンター代表理事 高橋卓志

 死は誰にも平等に訪れる。しかし死には、愛する人々との別れの苦しみや、未知の世界への恐怖が付きまとう。それだけでなく、死の周辺では、病気、財産管理、遺産相続、死後の手続き、葬式、墓などといった現実的で煩雑な処理が必要になる。人生の幕引きはそれほど簡単なものではないということだ。少子・高齢化が進み、地球共同体の地力が落ちてきた現代社会には、死の周辺への対応に苦慮するたくさんの人々の姿が目立つようになってきた。

 一方、死を自分の人生の一部であるととらえ、死に至る過程、そして死後も「自分自身のもの」と考え、死を見つめながらも「よりよく生きる」方法を模索する人も増えてきた。老後のあり方や死の周辺において、選択肢を獲得しながら、自分の意思をきちんと表明し、その意思の実現を望む人々が確かに増えてきていることを実感する。これらはQOL(Quality of Life=いのちの質)に重点を置いた生き方を希望する人々といえる。

 しかし個人のレベルでエンドステージにおけるさまざまな課題解決は可能だろうか。また生きがいが感じられるオルタナティブな生き方の実現が簡単にできるのだろうか。これらに対する専門家の支援が必要になっているように思う。

 こういった社会情勢を踏まえ、このたび「ライフデザインセンター」(特定非営利活動法人=NPOとして認証申請提出)が発足することになった。ライフデザインセンターはまず、それぞれのいのちのエンドステージに起きるさまざまな課題解決に対応できる機構を目指している。そして訪れる死を真正面に見据えながら、自分らしく生きようとする人々に対する支援を行うことを目的としている。それらの目的遂行のため、非営利組織として専門家が結集したものである。

 たとえば生前に自分の意思を表明され、その実行を望まれる人に対して「生前契約(あるいは生前予約)」を結び、エンドステージでの支援そして没後処理を含めた意思の履行のお手伝いと評価を行う。このように死の周辺において、それぞれが描くライフデザイン(いのちの設計)実現のお手伝いすることによって、積極的に生きがいが獲得できる人生が可能になるものと思う。

ライフデザインセンターの概要
対象分野

 年金・保険・財産管理・遺言・相続・介護・ターミナルケア・ホスピス・献体・葬式・墓地・ライフスタイルなどに疑問、不安、要望を持つ人

対応するメンバー

 税理士・弁護士・公認会計士・土地家屋調査士・社会保険労務士・医師・臨床心理士・牧師・僧侶・大学教官・ファイナンシャルプランナーなどの専門家

当面の活動(事業)内容
  1. 情報提供=情報誌の発行やホームページにより随時関連する情報を開示
  2. セミナー等の開催=会員対象の専門家によるステップアップ講座、一般対象の啓発セミナーや講演会の開催
  3. 相談事業=相談概要の確認。電話あるいは面談による対応。適切な専門家の紹介など
  4. 生前契約の手続き及び契約履行=ライフデザインのアドバイス。生前契約の内容研究。契約にむけてのアドバイス。生前契約の締結。契約の履行。契約内容の評価等。
  5. 成年後見制度に関する事業=同制度活用に関するアドバイスと支援。
  6. 生前契約等各事業についての助言を行うコーディネーターの養成
  7. 調査研究=生前契約・成年後見制度等の研究と調査
  8. その他

○問い合わせ先
ライフデザインセンター
〒380-0813長野市緑町3036-2 tel.026-229-8001

 生きているうちに、自分の判断がきくうちに、自分の生きかたを、また自分の逝き方を決めておく。自分が逝った後のことを決めておく。親亡き後の子供の生活を託しておく。プロの集団が、それを「非営利」で受ける。そこに、大きな意味があると思う。

 かつて、見事な生き方・逝き方を、そのほんの一部ではあったが、見せていただいた方がいる。簡素で荘厳なお葬式(私は実際には駐車場係で参列しなかったが)。そのときに使う"お饅頭"もご自分で決めたと伺った。神宮寺前住職・閑栖和尚の穏やかな死に顔を思い出す。
詳しくは『死に際のわがまま』を読んでみてください。(の)

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自立生活運動と障害文化

─知ってることは力になる・17─


たていわ しんや(信州大学医療技術短期大学部助教授)

 この5月に『自立生活運動と障害文化』という本が発行されました。480頁という大きな本です。編集・発行は全国自立生活センター協議会。発売は現代書館。定価は3500円。

 前にも書いたことがありますが、「全国自立生活センター協議会」は、「自立支援センター・ちくま」や「松本市障害者自立支援センター・ぴあねっと21」も加盟する自立生活センターの全国組織です。さてと、とその紹介を書こうと思って、でも、結局「はじめに──編纂にあたって」をそのまま皆さんに読んでいただくのがよいと思い、以下その一部を引用します。なおこの本の目次などは、私たちのホームページhttp://ehrlich.shinshu-u.ac.jp/tateiwa/1.htmから見ていただくことができます(http://…の入力が面倒ですが、「ちくま」のホームページからもリンクされてますし、私の名前で検索してもらっても出てくると思います)。では、引用を始めます。書き手は事務局長の奥平真砂子さんです。

「障害者の自立生活運動の理念と活動を広める目的のために、全国自立生活センター協議会(英語名:Japan Council on Independent Living Centers. 略称:JIL)が設立されてから10年が過ぎようとしています。また、日本に第一号のアメリカ型の自立生活センターが設立されてから15年です。20世紀が去り新しい世紀がやってきたその節目に、この本を発行する機会を得たことは、とても感慨深いものがあります。

 私たちがこの事業に着手したのは1999年。20世紀の終わりにこれまでの障害当事者たちの社会変革運動の歴史を、何らかの形で残しておきたいと思い始めていました。またその年の初め、立て続けに何人かのリーダーが亡くなりました。そのため、より一層「これまでの運動の歴史をまとめなければ」と思うようになり、自立生活運動を中心に当事者の活動をまとめることにしました。

 また各方面から自立生活運動史についての質問が多く寄せられ、とくに学生の方からは「論文のテーマに自立生活運動を取り上げたいのだが、資料はないか?」という問い合わせが多々あることから、この編纂史を出す必要性を感じていたこともあります。このような二つの大きな理由があったのですが、それらを網羅するようなものを作ろうということになりました。

 日本における障害当事者の運動は、アメリカ型の自立生活運動が活発になる前から激しく進められており、その頃の運動を無視しては当事者運動を語れないと考え、本の構成を三部立てにすることにしました。第I部は自立生活センターと四肢障害以外の障害者団体の活動をまとめることを中心とした団体編、第II部はアメリカ型の自立生活運動が盛んになる前か
ら活発に障害者運動に取り組んでこられた個人の歴史をまとめた個人編となっています。第III部は、今後の当事者運動のあり方を展望するために開催したシンポジウムをまとめたものです。

 2001年1月31日現在、JILに加盟している自立生活センターの数は97となっており、その所在地は北海道から沖縄まで全国各地に渡っています。その中から第I部に掲載する7つのセンターを選ぶには、(1)地域性、(2)協議会発足の頃から活動を続けている、という点を考慮しました。また、障害別団体の執筆には、草の根の運動を続けていらっしゃる方々にお願いしました。……

 一般的に、自立生活運動が日本の障害者リーダーに直接伝えられその運動が広まってきたのは、1980年代初めだとされていますが、日本の自立生活運動は1960年代後半に始まったという人もいます【その一人は私です、ただ私は次に出てくる「青い芝」だけじゃないと思っているのですが──立岩】。それは"青い芝の会"の運動です。青い芝の会は脳性マヒ者を中心としたサークル的な集まりとして1957年に活動を始めましたが、その後自分たちの意見を主張する組織となりました。そして、1962年には初めての厚生省交渉を行ったと言われています。その目的は、脳性マヒ者に代表される日本の重度障害者は家族による介護が当然とされていたため、親などの家族が年老いた後の自分の生きる場所を求めるものでした。それが、府中療育センター闘争などど相まって、70年代の激しい闘争へとつながっていきました。それら障害当事者たちの激しく長い闘いがあったからこそ、日本の自立生活運動はここまで大きな波になったのだと思います。

 第II部は青い芝の会をはじめ、障害をもって地域で生きることをめざし、そのための制度確立に取り組んでこられた当事者運動の先駆者たちの活動をまとめた個人編をまとめることにしました。第II部にご登場いただいた方の他にもリーダーは数多くいらっしゃいますが、ワーキングチームで話し合いを重ね、その中から、(1)その人が取り組んでこられた運動と、(2)地域性を基準として選びました。……」

 とりあえずここまで。この本は、厚さ、情報量の多さから言ってもお買い得なのですが、それでもそう安くはありません。関係者割引価格でお頒けすることもできます(私はやはり以前紹介したことのある、1999年に亡くなった、高橋修さんのところを担当しました)。定価+税の2割引=2940円、+送料→TAE01303@nifty.ne.jp、FAX:0263-39-2141立岩まで。上記のホームページからも注文できます。もちろん本屋さんでも注文できます。


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5月1日より一部、価格・サイズ・パッケージが変わりま〜す。

石けん担当 林 秀香

 

 ちくまの手作り石けん

●無香料……100円
●ミント・よもぎ・黒みつ……各150円
●ラベンダ−・ロ−ズマリ−・レモングラス……各250円
●無香料3個パック……250円
●ミント3個パック……400円
●粉石けん3kg袋……700円


 今までハーブ類の石けんは各300円でしたが、サイズを無香料と同じに変更したため、値下げしました。昨年11月まで四賀村の石けん工場の大家さん:常田長臣さんに石けんを炊いていただきお世話になりました。ありがとうございます。この度スタッフで製造する事になりました。これから、少しずつ商品を増やしていきたいと思います。もし「こんな石けんがあったら」などご意見がありましたら、ご連絡下さい。


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法人化日記(1)

 昨年度よりお伝えしている、「ちくま法人化」について、今後その成り行きを「法人化日記」として、皆様にお伝えしていきたいと思います。

 先日、ちくまスタッフ全員のミーティングにて、今後の具体的な作業に入る前にまずスタッフの意思確認と、今後の具体的な動きについて話し合いを持ちました。その中で、年季の長い(?)スタッフも、若いスタッフも、もう一度「ちくま」の原点の確認をしました。世代も、関わった状況もいろいろです。設立当初より関わってきたものと、現在の「ちくま」を支えているもの、それぞれにそれぞれの思いがあります。なぜ「ちくま」にいるのか。今後の「ちくま」をどうしたいか。それらをふまえ、今後の「ちくま」をつくっていくために、今までの業務内容の見直しをし、ひとつひとつ形をつくっていきたいと思います。




 
(社)日本青年奉仕協会より派遣の新旧二人からメッセージ

 生まれも育ちも山形県という、生枠の東北っ子です。(森谷幸恵)

 今年の「ボランティア365」です。高校卒業後、4年間の会社勤めとフリーターを経て参加しました。会社で書類やパソコンとしか向き合わない中で、頭も体も動かしながら楽しめる事を仕事にしたいと考え、福祉関係に興味を持ち始めました。
 
 "ちくま"を希望したのも、楽しみながら活動ができそうだと感じたからです。まだ来て数日ですが作業所で雑巾を縫ったり、石けん作りの手伝いをしたり、移動サポートに同行したりといろいろな体験をさせていただいています。1年後にはこの体験を自分のものとし、よき経験と言えるように努めたいです。これから1年、自分のペースでおもいっきり楽しませてもらう予定です。よろしくお願い致します。

 今年度も、日本青年奉仕協会より一年間ボランティアの派遣をいただき、4月20日より活動しています。"ちくま"のいろいろな仕事でお会いします。どうぞよろしくお願いいたします。


たくさんお世話になりました。ありがとうございました。(植田直子)

 長野と言えば、おそば・わさび・りんご・アルプス・スノボー。初めての所に住むということは、私には不安はちょっぴりで、うきうきわくわくでいっぱいでした。信州の食べ物はどれも美味しくて、もりもり食べるうちにみるみるジーパンが…縮んだずら? 信州の食べ物は私をBigにしてくれました。そしてアルプスは、(いつ見ても偽物に見えるほど、アルプスをおかずにしていっぱいご飯が食べられるほど)これまでにない美しさに感動の毎日でした。

 そんな信州にあるちくま≠ナの活動は、石けん包装から始まり、店や喫茶店の手伝い、バザーでの販売などいろいろなことをさせていただきました。私にとって全てが初めてでたくさん失敗をしましたが、作業所メンバーやスタッフの皆様に支えられ、何の気負いもなくのびのびと活動させていただきました。

 これから自分に何が起こっていくか分かりませんが、ちくま≠ニ出会えたことに感謝し、これからの人生につなげて行きたいと思います.ちくま<oンザイ!

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 いらっしゃいませ 

公民館喫茶ゆんたあく

 今年の7月でゆんたあく≠烽P1年になります。最初の頃は何も分からず、いろいろな方の協力により運営することができました。慣れてくるにつれて、メニューを増やしたりどうしたら美味しい飲み物をお出しすることができるか、皆で話し合うこともしました。お客様も常連の方や初めての方といろいろですが、「美味しかったです」と言われるのがとても嬉しく、これからもがんばっていこうと思います。

 そして何よりも私達がこうして働くことができるのは、ボランティアの方がお手伝いしてくれるからです。現在も何人かの人が来ていますが、その方達と話をすることもまた楽しみの一つです。これからもボランティアの方々と協力しながら、お客様の居心地の良い場所にしていきたいと思います。


ゆんたあくチーフ 勝島志麻


 
公民館喫茶「ゆんたあく」は、だれでも気軽に利用でき、いろんな人と出会える場所です。担当は、"ちくま共同作業所"の皆さん、メニューも20種類、コーヒー、紅茶など格安の値段で、味も好評です。交流の場所として利用しましょう。 

なんなんひろば館長 松本寿行

介護福祉士国家試験に合格しました

移動サポートコーディネーター 百瀬倫子

 今年の3月に2次試験が行なわれ、合格通知を受け取ることができました。この受験にあたって、さまざまな方と出会い、ひたむきに学ぶ姿勢を目の当たりにしました。この経験を忘れることなく、これからも学んでいきたいと思います。


ちくまの日記


2月24日

ナイスハートバザールin松本に参加。(〜25日)
「移動サービス団体地域ネットワークシンポジウム」(東京)に参加。

27日

一年間ボランティア:植田直子、任期終了。総括研修へ。

3月6日

総括研修を終えた植田、恒例(?)のお礼奉公に戻ってきました。4月以降も信州に残り、子どもに関わる仕事をしたいと探しています。

22日

超ラッキーな植田、希望通り信州軽井沢の児童養護施設に就職が決まりました。

27日

ゆいまある福祉会(伊那市)から5名、見学。

30日

岐阜県の「(株)きららかなやま」から3名、移動サポート見学。

4月1日

神宮寺春の法要でバザーをさせていただきました。

3日

スタッフ全体ミーティング。20周年と法人化について。

12日

社会福祉関連の学生Kさん、ボランティア実習に来所。(4日間)

16日

ぴあねっと21(松本市障害者自立支援センター)の運営委員会に野田出席。
なんなんひろば利用者の会総会に出席。

22日

神宮寺の尋常浅間学校「朝から晩まで永六輔」のお手伝いにスタッフ総出。

24日

今年度の一年間ボランティア、森谷幸恵着任。東北美人!顔やスタイルは(古い)ちくまスタッフのイメージとはかけ離れすぎていますが、食欲は一緒でした。
長野県NPOセンター理事会に野田出席。
26日 松本養護学校からの実習生、今年度受け入れについて学校関係者と打ち合わせ。

28日

家族会主催のお花見会。ちくまの庭で焼き肉。暑かった〜。
ちくま共同作業所連休(4/28〜5/6) ゆんたあく連休(4/29〜5/6)

くまの店は連休中は営業し、5/6〜10休み。
移動サポートは休みません。相変わらずスタッフは切れ切れの休みになります。

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〔編集後記〕
 今年は20周年。ビッグなイベントを企画中です。内容は次号でお知らせできると思いますが、会場で新旧の応援団の皆様とお会いできるのを楽しみにしています。 (京)

 福祉車両や車いすマークの車を街中で見かけることが多くなり、福祉を取り巻く環境が少しずつ変わってきていると、日常のなかで感じます。 (み)


支援会員 年間 2,000円

賛助会員 年間 5,000円


移動サポート賛助会員

 (個人)年間 5,000円

 (企業)年間 10,000円

各会員の方には『こちら“ちくま”』やさまざまなご案内をお送りします。

郵便振込口座:00520−6−22266

口座名義:筑摩工芸研究所

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