通信紙

こちら“ちくま”

2001年第1号 通巻22号
 
 発行人 新井俊雄
 編集人 大下京子 宮沢敬子
 発行所 筑摩工芸研究所
 〒399-0001 長野県松本市宮田8-22
 tel. 0263-26-6330 fax. 0263-26-6047

設立から20年
つよくなくてもやっていける
 ─知ってることは力になる・17─

 たていわ しんや(信州大学医療技術短期大学部助教授)
 


わーい 新車 がやってきたぁ

ちくまの日記
編集後記


設立から20年

 ちくま代表 新井俊雄

 ちくま$ン立から今年で20年になります。
 養護学校を卒業して来た人も、38才となっています。
 私も55才となりました。

 障ガイを持った人が生活の中に暮らしの中にあったら、特別な施設はいらないのに……といった考えから地域の中に作業所をつくりました。

 様々な事がありましたが、結果として地域にささえられて来たからこそ20年暮らし向きがととのえられて来たと思います。

こんな考えの一方で、いずれ老人ホームが必要になる。機会を得て社会福祉法人をつくらなければという考えが生まれていました。

 もちろん現在ある施設を否定している訳ではありません。現在ある施設の連携の中で年をかさねることも可能であり、またそうあるべきなのですが人間は良くも悪くも生活圏を保持するという習性があります。

 個人の生活圏を脅かされることをきらいます。現在を肯定しちくま≠轤オい生活圏の拡充を考えると、ちくま≠フ中でも選択肢が増える法人の設立は必要なこととなって来ました。
もちろん家族の中で今まで暮らし、ちくま≠ノ通って来ている訳ですから、現状維持の可能の人もいます。

 しかしすべての人ではありません。用意をしなければという思いと、そんな時期になったと考えています。ちくま≠ヘ隣人を家族として地域が迎えることが出来るか、こんなこころみでもありました。

 あくまで家族という単位で考えると生も死も見守ることの出来るものでありたい。地域も隣人も施設も選べる選択肢の多い生き方は誰もが望むことだと思う。

 20年前の思いを新たに、さらに微調整し、実践と提案型の福祉を求めていきたいと思います。

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つよくなくてもやっていける
─知ってることは力になる・17─


たていわ しんや(信州大学医療技術短期大学部助教授)

 前回に続いて「つかいまわし」になってしまいました。すみません。以下、『朝日新聞』の論壇・正月シリーズ「21世紀の入り口で」に依頼されて書いた文章です(1月11日朝刊に掲載)。制限字数に苦しみながらも、私の基本的なスタンスみたいなものは出てるかなと思います。私の書きものとしては例外的に、わりあい反応があった文章でもあります。

 なおここで根拠も示さず書いた話をもっときちんとていねいに書いた本は、今のところありません。できるまでもうしばらくかかります。昨年秋に出た、なんだかタイトルが似ている『弱くある自由へ』(青土社、2800円)という本で具体的に論じたのは、「景気」とか「国際競争」といった言葉が出てくる以下の文章とは少し違って、「安楽死」とか「介護」といった主題です。ただ、私にとっては、というよりこの社会の中では、それらはみな互いに強く結びついているのですが。それでは、はじめます。

 誰もが「右肩上がり」の時代は終わったと言う。だがそれにしては騒々しくないか。なにかしなくてはならないことになっていて、「革命」とか「自由」とか、もっと別のもののために使われてきた言葉が気ぜわしげに使われる。「危機」や「国家目標」が語られ、それらに「新世紀」といった言葉が冠せられる。

 十分に多くの人たちは「消費を刺激する」といった言葉の貧困さや「人間の数を増やす」という発想の下品さに気づいている。しかしそうしないと「生き残れない」とか言われて口をつぐんでしまう。政治的な対立と見えるものも「経済」をよくする手段について対立しているだけだ。私たちに課題があるとしたら、それはそんなつまらない状態から抜けることである。
 第一には、働き作り出すことは人が生存し生活するために必要な手段であり、基本的にはそれ以下でもそれ以上でもないという当たり前のことを確認すること。まったく言うまでもないことなのに、じつにしばしば、浮足だった言葉の中でそれが忘れられる。
 それでも労働力と生産が足りないのだから、がんばらざるをえないと言われる。生産につながらない部分にお金を使うのも節約しないとならない、福祉や医療を「特別扱いできない」という話がある。

 だがまず、刺激しないと消費が増えないなら、あるいは刺激しても増えないなら、その部分は足りていると考えたらどうか。またものはあるのに失業があるということは、少ない人数で多くを生産できるということであり、それ自体は大変けっこうなことだと考えてみたらどうか。ものもものを作る人間の数も足りている、工夫すればこれからも足りると私は考える。「国際競争」の圧力はたしかに無視できない。しかしごく原則的に言えば、それは競争に勝つことで対応すべきでなく、競争しなくてすむ方向で解決がはかられるべきなのだ。これをなんとかできるなら、危機は本当に実在しない。

 第二に、一人一人が人並みに生き、暮らせるために、今あるものを分けること、一人一人の自由のために分配することである。たくさん働ける人が多くとれ、少なくしかできない人が少なくしか受け取れないことが正義でないことは論証済みだと私は考える。所得の格差は、格差をつけるとそれにつられてやる気が出るという理由から、必要な範囲でだけ、正当化される。分配の意義はなおまったく失われておらず、それは自由と対立しない。自由の平等のための資源の分配が追求されるべきである。失業が問題なら労働も分割し分配すればよい。
 これは市場だけで実現せず政治が担うべき部分がある。だがそれは「大きい政府」や「強い国家」を意味しない。

 信用されていない人たちが例えば正義を語り、押しつけることが、かえって正義の価値を下げ、信用を低くしている。それは失望と冷笑しか生まない。だから国家は、わるいことをせず、一人一人が生きていけることを妨げないためのことをするのに徹し、それ以外の、様々な「振興策」等々を含む「よいこと」は各自にまかせたらよい。
 そうして訪れる世界は退屈な世界だろうか。退屈でかまわないと私は思うが、退屈や停滞という言葉が気にいらないなら、落ち着きのある社会と言い直してもよい。そして退屈になった個々の人たちはすべきことをするだろう。

 なにも新しいことを言ってはいない。前世紀の後半、環境や資源の危機にも促され、この社会を疑う人たちが現れた。ただその疑いを現実に着地させることが難しかった。

 生活欄で「がんばりすぎない」ことが言われ、同じ新聞の政治経済欄に「新世紀を生き抜く戦略」がある。それを矛盾と感じる気力も失せるほど社会を語る言葉は無力だろうか。いま考えるに値することは、単なる人生訓としてでなく、そう無理せずぼちぼちやっていける社会を実現する道筋を考えることだ。足し算でなく引き算、掛け算でなく割り算することである。もちろんそれは、人々が新しいことに挑戦することをまったく否定しない。むしろ、純粋におもしろいものに人々が向かえる条件なのである。

 繰り返すが、この社会は危機ではないし、将来は格別明るくもないが暗くはない。未来・危機・目標を言い立てる人には気をつけた方がよい。


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ちくま移動サポートに

わーい 新車 がやってきたぁ

百瀬倫子ちくま移動サポートコーディネーター

 日本財団より2台目のリフト付車輌が寄贈されました。

 従来あった車輌(24時間テレビキャラバン車)が、サポート事業に対応できない事例(ストレッチャーや夏場のエアコン、雪道や悪路)にあたり、装備の整った車輌を切望していました。

 日本財団の「平成12年度福祉車輌寄贈事業」に、トヨタハイエース・4WD車 8人乗車椅子2台ストレッチャー対応(クーラーにカセット付!うれしい…・。)を応募したところ、見事寄贈が決定し今年1月25日に納車されました。

 この増車により、暑い夏や冬の雪道、ストレッチャーの方、体温調節が必要な方等要望があれば対応できるようになり、更に積極的にサポートできる体制となりました。また、平成4年に寄贈された24時間テレビのキャラバン車につきましては、他の活動団体へと再寄贈されるように、只今24時間テレビと手続き中です。



白い車体にエメラルドグリーンで日本財団のマークがデザインされた、おシャレな車でーす。

★全国に移動サポートのネットワークが地域ごとに出来始めており、今年は当サ
 ポートも近隣県に広がりをもてるよう、関係づくりを進めてゆく上で、先ずは
 県内の民間組織との連携を密にしてゆけたらと思っております。

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ナワテ通りのお店 ちくま

むすびや ちくま 昼の部

新年より、美味しさいろいろ いろいろ丼 はじめました。

▼中華丼  ▼もつ煮丼
  ▼親子丼  ▼玉子丼
    ▼牛バラ丼  ▼トリッパー丼(もつのトマトソース煮)


各 ・小盛り:500円 ・普通盛り:550円 ・大盛り:600円

ただいま、おむすびはお休みさせていただいています。

微酔い処 ちくま 夜の部

春よ来い
  早く来い
    春のうららの女鳥羽川

旬の食材 お酒に合わせて取り揃えています。




 先月号でお伝えした、「ちくま法人化に向けて」でお伝えしてあるとおり、今年もより一層忙しくなりそうです。

 そして、何と今年はちくま≠ェできて、20歳。(スタッフの林・通称ひーちゃんはそのころ1歳、よちよちでした。)よちよち歩きの子が、おとなになる年です。

 ちくま≠煌F様のご愛顧で、無事20年を過ごして来ることができました。

 今までのちくま≠少し振り返り、「法人化」を進めていくとともに、よりちくま≠轤オさを生かせる組織として、いろいろな部分の見直しが必要となります。代表も書いていますが、「具体的な提案と実践」を目指して


ちくまの日記


11月13日

松本養護学校から実習生1名。(〜17日)

15日

市内Aさんより、ちくまの店の手作りのれん、ご寄付いただく。

20日

松本養護学校から実習生1名。(〜27日)

22日

日本財団より、2台目の車両寄贈決定通知届く。

26日

ずっと昔のスタッフで、現在「ぴあねっと21」で大下とともに働いている降幡和彦さんの結婚式。ちくまスタッフも多数参加。おめでとう!

12月1日

恒例「ちくまの忘年会」。今年も大勢ご参加ありがとうございました。

2日

石けん包装ボランティアだった故・原礼子さんのご主人より、掃除機をご寄付いただく。ありがとうございました。

8日

「ぴあねっと21」主催講演会「ショウガイノチカラ」松兼功氏を作業所全員で聞きに行く。

10日

野田、県ボランティア研究集会の移動サービス分科会で助言者。

11日

野田、ぴあねっと21運営委員会に出席。

17日

ジャスコ南松本店のクリスマスコンサートにご招待いただき、作業所メンバー参加。バザーもさせていただきました。ありがとうございました。

19日

野田、百瀬、日本財団寄贈車説明会に出席。(東京、船の科学館にて)
年末年始、移動サポートは休まず稼動。スタッフは交替で途切れ途切れの休みになりました。

2001年

1月9日

作業所、仕事始め。
ちくまの店昼の部は、寒い時期なので「どんぶり屋」に変身しました。

13日

松本市名物(?)「あめ市」。寒風吹きすさぶナワテの店の前でバザー。

16日

ぴあねっと21の講座に作業所メンバー参加。

25日

日本財団から新車到着。ピカピカの新車が雪にまみれ……。

27日

再び、大雪。ちくまも街も埋もれました。

29日

通所が無理なほど、雪で道路は混乱。作業所は臨時休業。(〜30日)

2月1日

ライフデザインセンター#ュ足記念講演会に、百瀬参加。

15日

長野県セルプセンター中信ブロック会議に、林参加。

17日

家族会、新年会。

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〔編集後記〕
 ちくま移動サポートは年末年始も休みませんでした。貴重な足としている私は大助かり。他の人もそうだと思います。スタッフの休みも確保する方法を考えつつ、これからも、いつでも頼める足として続けていきたいです。 (京)

 日本青年奉仕協会より派遣された植田直子さんが、2月26日をもって1年の任期を終わりました。ちくま≠いっぱい体験できたでしょうか。ご苦労様でした。 (み)


支援会員 年間 2,000円

賛助会員 年間 5,000円


移動サポート賛助会員

 (個人)年間 5,000円

 (企業)年間 10,000円

各会員の方には『こちら“ちくま”』やさまざまなご案内をお送りします。

郵便振込口座:00520−6−22266

口座名義:筑摩工芸研究所

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