人間っていいなあ

アトランタパラリンピックを終えて



 アトランタオリンピックが終了し、そのあと開かれたパラリンピックも終了しました。パラリンピックの試合結果については新聞 でわずかに紹介されただけで、TVでの報道はほとんどないといった状況でした。某TV局がオリンピックで毎日23時間放映していたのがウソのようでした。
 バリアフリー社会にほど遠い日本の現状でもあるのですが、少しでも人々の関心が高まることを期待して車椅子バスケットボール日本代表チームのキャプテンとしてパラリンピックに参加された、長野県在住の奥原明男さんにインタビューをしましたので紹介します。



<開会式>





「車椅子バスケットボールの試合は、何カ国が参加されたのですか?」

全部で12チーム参加し、我が日本チームは8位の成績でした。


「あまり良くはなかったようですね。」

結果だけをみるとそうですが、内容は今までになく充実した試合ができ、今後の大会に向けて期待が持てると思います。


「具体的にはどのようなことですか?」

スペインとフランスとの試合が接戦で互角に対戦できたことです。今まではとても歯が立たない相手という印象でしたが、若手中心の今回の試合で手応えを感じました。特にスペイン戦では前半こちらがリードしていて、後半逆転されたものですが点差は10点程度でした。




「では、次回のシドニーオリンピックに向けて期待が持てるいうことですね?」

そうです。また2年後の世界選手権もシドニーでありこれにはベスト4を目指したいと思います。


「4年後のシドニーオリンピックではどうですか?」

できればメダルが欲しいですね。


「何かこの大会で印象に残ったことはありますか?」

そうですね、今回優勝したオーストラリアなんですが、今までのトップクラスのチームが高さで勝負していたのがこのチームは運度量の非常に高いセンター中心に得点を重ねた点です。特に決勝戦では彼が42得点を取りワールドレコードのアナウンスがありました。


「今後の日本チームの問題点などはありますか?」

技術的な問題はないので、あとは精神力というかメンタルの問題でしょう。練習中はよいのですが、試合になると集中できないのは心の問題があるからで、メンタルトレーニングなど積極的に導入する必要があります。


「外国の強いチームはその辺どうなのですか?」

イヤーすごいですよ。気合いというか点を取るたびに彼らがとる反応がすごく、完全にノリキッテいます。そしてその気持ちが試合中ずっと続くのですから相当なものだと思います。我々だと最後の集中力に欠けてしまうことがよくあります。


「この大会に参加されてどうですか?良かったですか?」

チームの目標がつかめたので満足しています。


<閉会式>

「これからの奥原さんの活動について聞かせてください。」

もう歳なので車椅子バスケットボールの選手で現役で続けるのはちょっときつくなると思います。これからもバスケに関係した活動は行っていくと思いますが、実は2年後の長野冬季パラリンピックではスピード競技(スケート)でトライしてみたいと思っています。
他にも今までできなかったちょっと危険を感じるスポーツにも興味があり、カヤックはぜひやってみたいしパラグライダーにも挑戦したいと思っています。自然の中でより厳しいスポーツをするのが望みです。


「すごいですね。ところでオリンピック主催側のアトランタの運営状況などどうでした?」

アメリカはのんびりしているようで、試合に向かうバスの運転手が地図を見ながら運転をするので間違いが多くはらはらしました。おかげで炎天下に1時間半も待たされたこともあり、試合前からストレスがたまってしまいました。


「ずいぶんですね。」

ええ、どうも海兵隊など軍隊の人間が運転手として活動していたらしくプロの運転手ではなかったようです。


「アトランタの街の印象はどうでした?」
障害者がごく普通に出歩けるように社会基盤が整備されているのが驚きでした。


「たとえばどのようなことですか?」
路線バスはほとんどがリフト付で市民がごく普通に車椅子で利用していました。日本ですと、バスの運転手が降りてきて何やらボタンを押してリフトを上げるのですが、向こうでは障害者がいるバス停に来ると運転席からボタンを押すだけでリフトが降りてきて障害者が乗り込むことができます。
またバス停は何処でも車椅子での乗降ができます。


「日本では車椅子で乗降できるバス停はごくわずかしかなく、またそのバス停に行くのに段差だらけでいやになることも多いと聞きます。」

そうです。アトランタで地下鉄に乗ったときですが、車両の床とホームがぴったり同じ高さでビックリしました。」
「また全ての車両に車椅子用のスペースが2ヶ所づつあり1人で何一つ不自由することなく移動できます。


「他にはどうですか?」

そうですね、トイレのことですが日本では車椅子専用の大きな特別個室があるのですが、アメリカでは普通のトイレに健常者と一緒に入っていきます。で、中で車椅子用のトイレがあるのですが非常に簡単な作りで普通の大便用トイレの1.5倍程度しかないスペースでした。」
「日本では車椅子利用者を特殊な人と見ているようで、トイレも特別あつらえでたいそう立派なものです。しかし鍵がかかっていたり誰かに連絡をしないといけないなど非常に使いづらいものです。


「そうですね、日本は特別視してしまうためかえって使いづらくしてしまうのですね。普通に考えられないというのはそれだけバリアフリーの意識が遅れているということでしょう。今日はどうもありがとうございました。」


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